アートの街 香川県のルーツ?アート旅の出発点におすすめ「香川県庁東館」
香川県といえば、どんなイメージがありますか?うどんやオリーブ、瀬戸内の島々のイメージがありますが、最近では「瀬戸内国際芸術祭」や直島の常設展示など「アートの街」というイメージも広まってきました。
なぜ、香川県がアートの街として有名になったのでしょうか?
様々なアート展示や意匠の建築物がある中、今回は、香川県がアートの街になったルーツを紐解く上で欠かせない、「香川県庁舎(香川県庁東館)」についてご紹介します。
アートの街といわれるきっかけは香川県知事の想いから
香川県のアートといえば直島が有名ですが、アートの街として知られるようになったきっかけの一つは、遡ること1958年5月に建設された香川県庁です。
当時の県知事であった金子正則氏は、地元産資材を使うことと、「観光県香川の象徴となる建築を」と民主主義の時代にふさわしい建物にしたいことを県庁建設の際にリクエストしました。それは、金子氏自身が戦後初の民主選挙で選ばれた県知事であったことも理由の一つかもしれません。彼が県知事に就任して最初の仕事が、被災した香川の街に新しい県庁舎を建てること。きっとその熱意は大きかったことでしょう。
その後、金子氏は香川県知事を6期24年務め、「デザイン知事」という異名を持つことになります。現在、香川県がアートの街として広まったのは彼の想いが始まりだったのです。
香川の街の人々が自由に立ち寄れる県庁舎にしたい
金子氏の想いを受けて建築に臨んだのが、建築家 丹下健三氏です。
丹下氏は、東京都庁本庁舎や広島平和記念公園、フジテレビ本社など、数々の建築作品を残した、日本を代表する建築家の一人です。その中でも香川県庁舎は、戦後の地方自治体庁舎のモデルとなるような、評価の高い建築作品として知られています。
香川県庁舎は、日本建築の伝統である梁(ハリ)や柱を取り入れ、コンクリートという新しい素材によって表現されています。モダニズム建築を日本の伝統と織り交ぜ、様々な角度からアプローチしながらも、どこか馴染みのあるような親しみやすさを感じます。
金子氏と丹下氏が香川県庁舎の建設で目指したのは、優れたアートとしての建物ではありません。重要なのは、「香川県の人々が自由に立ち寄ることのできる場所づくり」でした。公共の建物というと、どうしても気軽に立ち入るのは気が引けてしまいますよね。そこで、県庁舎の正面玄関と1階部分を歩行者道路との境目を曖昧にして、歩きながら自然と県庁舎の敷地の中へ導かれるような設計にしました。
このような構造はピロティと呼ばれます。ピロティとは近代建築の五原則の一つで、2階以上の建物において地上部分が柱を残して外部空間とした建築形式のことです。この建築を”集うための場所”として考えたのは丹下氏が初めてともいわれています。時を経て現在も、この香川県庁舎のピロティには街の人々の笑顔が溢れています。
現在の香川県庁本館についても、丹下氏による建築。
香川県がアートの街と呼ばれるきっかけとなった香川県庁。そこには当時の県知事 金子氏を始め、多くの人の香川県への想いが詰まっていました。その想いを胸に香川県アートの旅のスタート地点として、是非訪れてみてはいかがでしょうか。
※香川県庁東館は、平成31年12月まで(予定)耐震改修工事を行っており、見学できない状況となっております。詳しくはホームページ(http://www.pref.kagawa.lg.jp/)をご覧ください。
アートを堪能したあとは、美味しい香川も味わいましょう
香川といえば、うどんが有名ですが、オリーブも外せません。穏やかな瀬戸内の気候で、のびのびと育つオリーブを眺めながら、地元産の食材を使用した美味しい料理に舌鼓を打ちましょう。
オリーブ農園レストラン「OKI OLIVE ガーデンカフェ」では、自社農園オリーブオイルや香川県の特産品「オリーブハマチ」など香川の旬のものを使用した創作料理をご用意しています。
目の前に広がるオリーブ畑と香川の美味しさが詰まった料理の数々…「OKI OLIVE ガーデンカフェ」でしか味わえない、至福のひとときとなります。
香川でアート旅を楽しんだあと、または合間に、ぜひ訪れてみてはいかがでしょうか?
レストラン情報
住所
香川県高松市西植田町4560-1 オキオリーブガーデンカフェ
営業時間
プレオープン期間(1月~3月):毎週土・日曜日11:00~15:00
メニュー
ランチ:1,280円(サラダ+デザート+ドリンク∔小菓子付き)