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直島だけじゃない!香川男木島・女木島のんびりアート旅

直島だけじゃない!香川男木島・女木島のんびりアート旅

香川の島といえば、「直島」を思い浮かべる人が多いのではないでしょうか。

香川県は全国で5番目に多い、24の有人島を持つ都道府県。実は直島以外にもアート好きなら一度は訪れたい島がたくさんあるんです。

そして、この24の有人島は、いずれも四国の玄関口である高松港から20分から60分ほどで行けるというのも魅力の一つ。その中でも今回は「女木島(めぎじま)」と「男木島(おぎじま)」でゆったりとアートを楽しめるスポットをご紹介します。

今も鬼伝説が残る女木島

香川県高松市に属する女木島は別名「鬼ヶ島」と呼ばれており、今も鬼伝説が残る島として知られています。また、伝説になぞった鬼に関する観光スポットだけでなく、展望台やビーチなど、たくさんの絶景があります。春には港から灯台へ続く約2,000本の桜並木も見物ですよ。

女木島までは高松港からフェリーで約20分。オンシーズンとなる8月中は1日12便、8月以外も1日6便が就航しています。隣の島の男木島にも20分ほどで行けるので、1日で女木島と男木島を回る方も多いのだとか。

女木島に到着したら、女木港前にある「鬼ヶ島おにの館」でレンタサイクルを利用しましょう。電動自動車を借りて2時間ほどかけて島を一周(約12キロ)するのがおすすめ。ただし、島内は坂道や曲がり道が多いのでスピードの出しすぎには気をつけてくださいね。

「おにの灯台」が観光客をお出迎え

フェリーが発着する女木港には、みんなの安全を守る「おにの灯台」の姿があります。鬼と金棒でできた灯台の大きさは約2メートル、9トン。なんと全国唯一の白い御影石とのこと。フェリーに乗っていても見ることはできますが、きっと最初の記念撮影スポットになること間違いなしです。

「鬼ヶ島大洞窟」で桃太郎の世界を感じて

「鬼ヶ島おにの館」からバスで約8分。女木島を訪れたら「鬼ヶ島大洞窟」も外せません。桃太郎の物語をモチーフにした展示を楽しむことができます。まるでアトラクションに乗っているかのように楽しむことができるので、家族連れにも大人気。特に「ART SETOUCHI 2017」の参加作品として、香川県内31校の中学生が制作した3012枚の鬼瓦は圧巻ですよ。

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女木海水浴場の恋人岬で女木島の絶景を味わって

女木港から徒歩5分、美しいビーチを持つ女木島海水浴場。この海水浴場は環境省の「快水浴場百選」にも選ばれていて、その景観の良さと柔らかい白砂、そして透明度の高い海が人気です。海水浴の季節は夏ですが、オフシーズンも優しい波の音で多くの人を癒すスポットになっています。

さらに、女木海水浴場の曲線を進んでいくと「恋人岬」と呼ばれる絶景スポットがあります。先端まで歩いていくことができ、他に視界を遮るものがないため、まるで海の上に浮かんでいるような感覚を味わえるとっておきの場所。岩に腰を下ろして、女木島全体を見渡してみてくださいね。

女木島「カモメの駐車場」

猫と坂道を歩く島、男木島

女木島の北側約1kmのところに浮かぶ男木島は、高松港から女木島経由で40分ほど。この島の特徴は平地が少なく南西部の斜面にかたまって集落ができていること。そのため、港から鱗のように重なり合った民家を見ることができます。

男木島「灯台」

また、男木島は「猫島」としても人気です。もともと静かな漁港の街で、猫たちは多かったそうなのですが、テレビで取り上げられてからというもの、全国から猫を目当てに観光客が押し寄せるようになりました。その後、トラブルなどから一時は猫の数が減ってしまっていたようですが、最近では島の人たちのお世話のかいあり、猫たちもやっと落ち着いて生活できているようです。どうか可愛い猫たちと遭遇しても、餌を与えたり危害を加えずにそっと見守ってくださいね。

港でまずは「男木島の魂」に触れよう

男木港に入ってまず目に入るのは、島のシンボル「男木交流館」でしょう。なんともアーティスティックな待合所は、瀬戸内国際芸術祭2010で制作されたスペインの現代芸術家、ジャウメ・プレンサの作品「男木島の魂」です。白い屋根は貝殻をイメージされており、8つの言語の文字がデザインされています。建物自体が丸々アートになっているとは、とても驚きです。その建物の影もとても絵になりますよ。

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「歩く方舟」で男木島の海と空の恵みを味わって

男木漁港にあるのは山口啓介の立体作品「歩く方舟」です。旧約聖書に出てくるノアの方舟からヒントを得たそうで、白と青に着色された4つの山のある方舟が海を渡ろうと歩く様子だそうです。この方舟は、いわきに向かって歩き出していて、災禍を鎮めたいという願いが込められているそうです。海や空に溶け込む白と青の色彩が心にじんわりと響きます。

「オンバファクトリー」のカフェでほっと一息

坂道や細い道が多い男木島に住むおばあさんたちにとって「オンバ(乳母車)」は必需品。おばあさんたちのオンバをカラフルにペイントし、島の風景を彩る作品が並びます。また、オンバ・ファクトリーに併設されたカフェスペース「ONBA Cafe(オンバ・カフェ)」では地元の果物で作ったドリンクと手作りおやつが楽しめます。海を見ながらほっと一息するのに最適な場所です。

豊玉姫神社の石段を上って男木島を一望

豊玉姫伝説ゆかりの地「豊玉姫神社」は、男木島に住む人々から「玉姫さん」と呼ばれて親しまれています。港の大鳥居から参道に通じているのですが、参道に続く階段で振り返ると、目の前に美しい風景が広がるのだとか。男木島のベストビューと言われる風景を是非ご自身の目で確かめてくださいね。

女木島と男木島の魅力はまだまだたくさんあります。ゆっくりのんびりと島巡りをしながら、あなただけのとっておきのスポットを見つけてみてはいかがでしょうか。また、くれぐれも島は住んでいる人たちにとって、日々の生活の場。観光で訪れる際には、マナーを守って、気持ちよく過ごせるように心がけましょう。