香川のアート島旅!ノスタルジックな本島(ほんじま)で楽しむタイムスリップ旅
香川の島といえば、アートの島「直島」が最も知られているかもしれませんね。でも、香川県は全国で5番目に多い24の有人島を持つ都道府県。実は直島以外にもアート好きなら一度は訪れたい島がたくさんあるんです。
そして、この24の有人島は、いずれも四国の玄関口である高松港から20分から60分ほどで行けるというのが魅力的。今回は歴史深い丸亀市にある本島(ほんじま)をご紹介いたします。
歴史あふれる町並みで塩飽水軍の歴史ロマンを感じる本島
丸亀港から北へフェリーに乗ること約35分、30ほどの島々から成る塩飽諸島(しわくしょとう)の中心島である本島へ。この島の周囲は潮の流れが速く、腕のよい船乗りが多く育ったそうです。戦国時代には村上水軍と並んで名をはせた塩飽水軍が活躍し、島に繁栄をもたらしたといわれています。鎌倉時代から江戸時代にかけては、この塩飽水軍の本拠地として栄えました。
また、漁業が盛んでワカメが特産のこの島は観光客も多く、民宿やカフェ、レストランなども多数あります。島内を周るには、レンタサイクルを利用するのがお勧めですよ。
▼本島について、詳しくはこちら
歴史あふれる笠島集落の町屋建築群
笠島は塩飽水軍が古くから拠点としていた港町。江戸末期〜昭和初期にかけて建築された漆喰塗りの白壁、なまこ壁の町並みは、国の「重要伝統的建造物群保存地区」にも指定されています。虫籠窓に格子構えの町屋建築がまるで網の目のように張り巡らされた細い路地を歩けば、中世以来の瀬戸内の港町を思うことができますよ。
最初に笠島まち並保存センター「真木邸」を訪れて、観光案内をしてもらうとより深く当時の趣を感じられるかもしれません。その向かいの廻船問屋「ふれあいの館」や文書館「藤井邸」なども併せて立ち寄ると良いでしょう。古民家カフェもあるので、休憩しながら当時の町並みを楽しんでくださいね。
▼笠島集落について、詳しくはこちら
Vertrek「出航」は海の男たちへの敬意を表した作品
かつて塩飽水軍の根拠地だった本島には、優れた造船・操船技術がありました。特に、塩飽出身の乗組員が多く乗船した咸臨丸は、日本で初めて太平洋を往復したといわれています。Vertrek「出航」は、この咸臨丸の功績や乗組員に敬意を表した作品です。帆を高く上げ、宙に浮いた船の彫刻は圧巻ですよ。
▼Vertrek「出航」について、詳しくはこちら
塩飽勤番所跡で塩飽の歴史を物語る史料に触れて
本島にあるただ一つの港「本島港」から歩くこと約10分、豊臣秀吉や徳川家康の朱印状や咸臨丸に乗船した塩飽水夫ゆかりの品が展示されている塩飽勤番所跡があります。
まず塩飽勤番所跡に着くと、見事な入母屋造、本瓦葺の建物に見惚れます。時代を感じる白壁や長屋門を見るだけでいかに重要な建物であったかを感じられるはず。
その昔、地元の年寄が権力者たちの朱印状を大切に保管・取り仕切りを行っていましたが、寛政十年(1798年)に国指定史跡でもある塩飽勤番所が勤番所として建築されました。勤番所とは、地元の年寄が政務を勤めるための場所。現在も当時の様子を伝えられる見事な保存状態ですので、隅々まで見てみましょう。塩飽勤番所跡を見ることで、当時の塩飽諸島の様子を思ってみてはいかがでしょうか。
島の歴史を絵看板にした「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」
瀬戸内国際芸術祭2013で作られた「漆喰・鏝絵かんばんプロジェクト」は、村尾 かずこさんによる作品です。本島の人たちから、昔から残る言い伝えや昔話を聞き取って、制作されたもの。当時、島が賑わっていた頃の様子を図案化してそれぞれの絵看板にされました。お店や民家の軒先に飾られた鏝絵を見るだけで、当時の本島の風情を味わうことができそう。懐かしい雰囲気の看板は、古い町並みをより一層当時に近づけてくれています。
▼漆喰・鏝絵かんばんプロジェクトについて、詳しくはこちら
本島は、島内のあちこちに塩飽諸島の歴史遺産が残っている大変貴重な島です。塩飽水軍が活躍していた時代のことを今も伝える素敵な町並みを巡ることで、気軽にタイムスリップした気分になれそう。ぜひノスタルジックな、香川アート旅を楽しんでみてくださいね。